ヘンペルのカラス

ヘンペルのカラスとは?

ドイツの哲学者カール・ヘンペルが考案した、帰納法による論理の問題点を指摘する例え話です。

帰納法とは、観察や経験から得た方法を集めることで結論を導く論理的思考法のことです。

たとえば、

  • ソクラテスは死んだ
  • プラトンは死んだ
  • アリストテレスは死んだ

といった個々の事実から「人はみな死ぬ」という結論を導くプロセスが帰納法ですね。

ヘンペルは、「すべてのカラスは黒い」という命題について考えました。

これは論理的には「すべての黒くないものはカラスではない」という命題と等しいといえます。
対偶論法 – 参考:wikipedia「対偶(論理学)」)

つまり、世界中の全ての黒くないものを調べ、その中にカラスが含まれていなければ、帰納法的に「すべてのカラスは黒い」ことの証明ができるわけです。

空でも山でもリンゴでも、ただ身の回りの黒くないものを見るだけでカラスが黒いことの証明に寄与するというのは、直観に反しますよね。

帰納法に則ると、実際にはカラスを一羽も見ていないのにその性質を結論づけることができてしまうのです。