重力波望遠鏡

重力波望遠鏡とは?

アインシュタインが一般相対性理論によりその存在を予見した「重力波」を検出するための、巨大な実験装置です。

「20世紀最高の物理学者」ともいわれるアルベルト・アインシュタイン(1879-1955)一般相対性理論においては、質量をもった物体が運動すると、わずかな時空のゆがみが重力波として伝わることが予測されています。

特に大規模な重力波が発生するのは、宇宙において中性子性やブラックホールが衝突したときなど。
それでも地球に到達する重力波の影響というのは、ごくわずかなものです。

重力波望遠鏡は、そんな微弱な重力波を検出するための装置です。

重力波望遠鏡は全長3km以上にもわたる2本の長いトンネル状のアームをもち、その中にレーザー光線を通す仕組みとなっています。

重力波望遠鏡の仕組み
重力波望遠鏡(LIGO)の概観(出典:wikipedia -重力波検出器-

2本のトンネルを通るレーザー光線は通常であればまったく同じ波長を示しますが、重力波によって空間が歪むとその分波長のズレが生じます。

そのズレを比べることで、空間の伸縮=重力波の存在を検出できるわけですね。

重力波望遠鏡は大型の設備を必要とするため、世界でもまだごく少数しか稼働していません。

アメリカの「LIGO」が2台。
イタリアの「VIRGO」が1台。

それに続いて、アジア初(世界4台目)の重力波望遠鏡「KAGRA」が日本の岐阜県飛騨市の神岡に設置され、2020年から観測をスタートしました。

重力波から宇宙の姿を紐解くための重要な拠点の一つとして、今後の成果が期待されています。