シュレディンガーの猫

シュレディンガーの猫とは?

物理学者シュレディンガーが、量子力学におけるコペンハーゲン解釈を批判するために考えた思考実験(想像上の実験)です。

量子力学の扱う量子(原子・光子など)の世界では、日常では考えられないような不思議な現象が起こります。

量子のふるまいについて、コペンハーゲン解釈においては、
「量子は観測する前は可能性の波として重なり合っており、観測した瞬間に初めて特定の状態に確定する」
といった考え方を採用します。

これについて疑問を突きつけたのが、シュレディンガーの猫の思考実験でした。

シュレディンガーの猫

  • 中の見えない箱に次の3つを入れ、閉じ込めたまま放置する。
    ・放射性原子
    ・放射線を検知して毒ガスを発生させる装置
    ・猫
  • 原子が1時間以内に放射性崩壊を起こす確率を50%とする。
    崩壊が起きると装置から毒ガスが発生し、猫は死んでしまう。

→ 1時間後、閉じられた箱の中で猫は死んでいるだろうか?生きているだろうか?

放射性原子の状態が猫の生死と連動しているこのような状況では、
観測しない限り死んだ猫と生きている猫が重なり合って存在している
という、明らかにおかしな結論が導かれることとなります。

シュレディンガーは、これをもってコペンハーゲン解釈を批判したのです。